天を支える者
前田珠子さんの「天を支える者」を読みました。
ずっと探していた物がやっと見つかった嬉しさで中身を確認せずに買ってしまいました。
急いでいる時は書店に寄るものではないですね。
前田珠子さんは「破妖の剣」「聖石の使徒」で著名なので―――私はそのシリーズしか、しかも名前しか知らないのですが―――安心して読み始めました。
あけてびっくり短編集。続刊しているから長編だとばかり……。
- 天を支える者
- この話が本の約半分です。 内容は完全な、物語の導入部分で具体的に動き出すのは次刊からのようです。 「不幸中の幸いの権化」である主人公ナルレイシアがとても良い感じな上、 その両脇をスカルトード、ガスカールという二枚目が固める最強の布陣です(?) ここまでだと良くある少女漫画のような展開が予想されますが、ナルレイシアの性格から絶対にありえません。 良い意味で先が読めません。
- 終末都市の灰色天使
- ナルレイシアの印象が強すぎたのか、話の印象がかなり薄いです。 ボーイ・ミーツ・ガールでももう少しじっくり時間をかけたの方が好きです。
- 木蓮抄
- たった9ページという長さはプロの作家でも難しい。
- 幸福の刻印
- 誰も何も恨まない
彩眸 が健気で可愛い。 出来れば彩眸が幸せをかみしめるまで見届けたかった。
どれも長編だったら好きになる題材だと思いますが、私は短編小説があまり好きではないので「天を支える者」以外は今一でした。
「天を支える者」は続刊している長編の一部なので不完全燃焼で当たり前です。
明咲トウルさんの挿絵は文句なしです。ナルレイシアの逃げる時や指輪を見る表情が良かったですが、一番はスカルトードに見とれたシーンです。普段の彼女では無いように大人しく、まっすぐな視線をスカルトードへ向ける姿が最高に良かったです。
コメント[0]
コメント投稿フォーム
コメントを投稿するにはJavaScirptが必要です。ブラウザのJavaScriptを有効にしてください。
トラックバック[0]
トラックバックはまだありません。
コメントはまだありません。