隠の王 #26(終) 心紡いで
アニメ隠の王の第26話(最終話)「心紡いで」を見ました。
再会した壬晴と宵風。宵風の願いを叶えようとする壬晴を宵風は拒む。宵風は服部を殺した事をきっかけに過去を見つめなおし、全てを受け入れて残り僅かになった時間を過ごす事を選ぶ。壬晴はそんな宵風に付き合おうと、森羅万象を使用しないと決意し、唆そうとする森羅万象の妖精を拒絶し別れを告げた。
冬の終わりが近づいた頃、英と雲平の所で穏やかな日々を過ごす宵風は昼間の暇な時間を活かして編み物を始める。目黒俄雨も宵風とともに身を寄せ、萬天の高校に通い剣道を始めていた。壬晴は雷鳴から虹一の秘密を知り、虹一にその意志を問うが、虹一は自分を引き取ってくれた相澤家のためにも相澤虹一としてあり続ける事を望んだ。黒岡野しじまと風魔小太郎は事態の静観を決め込む。
ある日、壬晴の前に雪見がふらりと現れメモを渡して去っていった。メモにはレモネードの作り方と、とある住所が記載されていた。後日、壬晴と宵風はメモの住所を訪ねる。宵風が塀越しに家を眺めていると、帰宅した家人・宵風の父に声をかけられる。宵風の父は宵風がわからなかったようで、言葉を一言二言交わす。そして家に入ろうとした直前、後ろを振り返るが宵風と壬晴の姿はもうなかった。帰り道、宵風の表情は明るく晴れていた。
しばらく経ち、宵風の編み物はマフラーを形作り始めていた。飲み物を淹れようと席を立った壬晴に希望を訊かれた宵風は「レモネード」と答える。編む手を休めた宵風は安楽椅子に座ったままゆっくり伸びをする。すると指先から身体が光の粒になり始める。
壬晴が戻ると宵風の姿はなく、安楽椅子には宵風の服と光の粒だけが残されていた。光の粒はゆらゆらと少しずつ空へ上っていく。そんな光の粒を壬晴は穏やかな笑顔で見送った。
最終話の感想
全話中、最も穏やかな展開の話。そして宵風が最も穏やかな話。
その印象的な最後を迎えていた宵風は、気付くまもなく穏やかに逝ったのか、静かに受け入れて逝ったのか、わからなかった。
当人が納得していた虹一は兎も角、黒岡野しじまは気まぐれすぎて理解不能。もしかして猫の方が本当の姿か。とりあえず、猫化してると食費が少なく済みそうだ。
風魔小太郎が思わせ振りなだけの観察者である事は予想通り。
結構以外だったのは俄雨が萬天に移った事と、雷鳴が萬天に残っていた事。そういえば二人とも身寄りがなかったか。
雲平先生は宵風を身請けした後も壬晴とはギクシャクしてたとは最後までグダグダのへたれ。キャラ的に見受けは英が率先したような気もするし。
灰狼衆は首領を失ったとはいえ組織は存続していそうな気もしたが、全く描かれなかったので不明なまま。
後日談に織田さんは含まれず。何もかも不憫な人だ。
全話の感想
結局、宵風が自身の存在を消したかった理由はわからないまま。雲平の爺さんと壬晴の両親との関係も知り合いだったということしかわからなかった。
雲平先生が円月輪をもっと早い段階で使っていたなら全く違う結末が訪れていたような……。
この作品は、男性キャラがウェットで女性キャラがドライというキャラクタの性質が顕著だ。雲平や雪見を始めとする男性陣はどこか脆く、雷鳴や織田さんを始めとする女性陣は芯があって強く気風もいい。まるで弱い象徴が男性で、強い象徴が女性なように。それでいうと雷光や壬晴という強い男性はどこか女性的だ。これは原作者が女性だからかもしれない。別にそれが嫌だとか悪いというわけではない。
物語の当初に出てきた五行はなりを潜めすぎ。結局、禁術以外の術らしい術はほとんど登場していない。
タイトルは隠の王だけど、物語後半は隠も王もへったくれもない感じだった。
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